大漁旗(たいりょうき・たいりょうはた)とは?使用用途、サイズ、絵柄について解説

大漁旗は、もとは漁船に掲げられていた旗で、主に漁業関係者にのみ関わりのあったものです。現代では、漁業はもちろん出産や還暦、結婚などのお祝い事からスポーツの応援まで幅広い場面で使われています。
今回は、大漁旗の意味や成り立ちから現代での使われ方について解説していきます。大漁旗に使われるデザインやサイズなどもあわせて紹介します。
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大漁旗の意味とは?

大漁旗とは、本来は漁船が大漁で帰港するときに掲げる旗のことを指しています。古くは江戸時代からはじまった慣習で、漁港で帰りを待つ家族に、漁業の成果を報告するために船上に旗を掲げたのが大漁旗の起源とされています。当時は携帯電話などの通信手段がなかったので、遠くからでも見えるように大きな旗を掲げる必要があったのです。
また、近隣の漁業仲間が大漁旗を掲げているのを見れば、「魚を分けてほしい」と相談することもできます。このように大漁旗は、漁業関係者同士のコミュニケーションツールとしても利用されていました。
大漁を示す大漁旗は縁起が良いことから、次第にゲン担ぎとして幅広く使用されるようになりました。現代でも、年初めの出航や新しい漁船で漁に出かけるときなど、変わらず漁業の分野では広く使われています。
▼大漁旗のデザインの例
大漁旗のデザインや絵柄の意味
縁起ものとして扱われている大漁旗には、さまざまなデザインが存在します。どのデザインにも共通していえることは、「めでたいもの」や「お祝いを意味するもの」「縁起のよいもの」であるということです。漁業が発祥なので代表的なのは鯛や鰹などの魚をモチーフにしたデザインですが、他にも鶴や亀、鷹、富士山、朝日、七福神、松竹梅などが描かれるものもあります。以下では、大漁旗によく使われる絵柄やモチーフの意味について解説します。
・魚(鯛や鰹)
大漁旗では魚が良く描かれています。中でも鯛は、「めで鯛」という意味からポピュラーなモチーフです。1匹だけで描いても良いですし、複数の鯛でデザインしても良いでしょう。
・波や富士山
大漁旗のデザインでは、魚の絵とあわせて下に波を配置し、背景には富士山を描かれることが多いです。波は、おだやかな波よりも荒波が好まれ、躍動感いっぱいに描けば大漁旗に迫力が出てより見栄えするものになります。あえて荒波を描くことで、困難に打ち勝つという意味も表現できます。
富士山も日本の縁起物として定番です。鯛とあわせて背景に富士山を描くことで、より縁起の良いデザインにすることができます。お祝い事をさらに華やかに彩ることが期待できます。
・色使い
大漁旗においては、絵柄やモチーフだけでなく、色使いも重要です。せっかくデザインにこだわっても、配色を間違えると魅力が半減してしまう場合があります。祝い事に使う旗なので、地味な色合いではなく派手で目立つ色にするのがポイントです。
波を描くなら鮮やかな青、鯛を描くなら鮮やかな赤というように、なるべく原色を活用して、遠くからでもはっきりと目立つくらいの色使いが良いでしょう。
目立つ配色について詳しく知りたい方はコチラのコラムもチェックしてみてください
さまざまなお祝いや応援に使われる現代の大漁旗
現代の大漁旗は、漁業に留まらず一般の人の間でも広く用いられています。特に祝いの場では重宝され、さまざまな人生の節目を彩ることもあります。プレゼントとして大漁旗を贈ることもあるようです。
ここでは、現代の大漁旗の使われ方をいくつかご紹介します。
出産や結婚のお祝い
大漁旗は縁起物であるということから、出産や結婚などのお祝い事にも使用されています。たとえば出産祝いにも大漁旗が贈られることがあります。「祝 長男〇〇誕生」のように赤ちゃんの名前を入れれば、世界で一つだけの大漁旗の完成です。インテリアにもなりますし、なにより記念になります。
また、デザインについても従来のように和風すぎず、ポップな要素が強めな大漁旗も作られています。
還暦や長寿祝い
大漁旗は縁起ものなので、還暦のお祝いにも使われることがあります。大漁旗といっても旗の形で作るだけでなく、タペストリーのようなインテリア性が高い大漁旗から、フェイスタオルやバスタオルに印刷したものまで、種類はとても豊富です。
縁起の良い和柄を結集した大漁旗は還暦の贈りものとしても適しています。「祝 60歳 〇〇」のように名前を入れたオリジナルのデザインなら、より特別感を演出できるでしょう。
スポーツの応援
スポーツの応援には垂れ幕や横断幕がよく使われていますが、その延長で大漁旗も応援用に使われることがあります。
大漁旗の特徴である大きな柄と目立つ配色は、大きな会場でも一段と目を引きます。さまざまな旗や幕が掲げられている中で、他のデザインとは異なる大漁旗の存在は一段と目立つことが期待できます。遠くの席から選手たちを応援するのにも適しているといえるでしょう。
ちなみに応援用として大漁旗を使う場合、自由度の高いデザインがよく採用されています。応援しているチーム名や選手名などを大きく表記し、鯛などの定番モチーフの代わりにチームのシンボルマークをデザインすることも多いようです。
大漁旗のサイズの違い
漁業で用いられる大漁旗は、縦100cm×横150cm程度の横長の長方形サイズが定番です。祝いの場に使われる大漁旗になると、縦70cm×横100cmのものや縦120cm×横70cmのものなどサイズも幅広くなります。ニーズに合わせて、適切なサイズを選ぶとよいでしょう。
また最近では、大漁旗のようなデザインを描いた店頭幕やタペストリー、のぼり旗など、本来の大漁旗とは異なる形状のものもあります。この場合のサイズはさらに多岐にわたり、設置する場所に合わせた独自のサイズで作られることもあります。
まとめ
大漁旗は、もともと漁業で使われるものでしたが、現在では贈りものや応援用としても広まっています。用途やデザインが幅広くなったことで、デザインの自由度も高くなっています。大事な人が人生の節目を迎えたときなどに、大漁旗を用意したりオリジナルの大漁旗を作ってみたりしてはいかがでしょうか。
