ターポリン生地の特徴や用途とは?生地の種類や加工方法も解説

横断幕や懸垂幕、タペストリーを購入する際に、「ターポリン」という生地の名前を目にすることがあります。衣類でよく使われる木綿や麻、ポリエステルなどと比べて人によっては耳慣れない名称のため、特徴をイメージしにくい生地ではないでしょうか。
この記事では、ターポリンの特徴の解説に加え、使用用途やお手入れ方法、保管方法など、購入前に知っておくべき情報を解説しています。ターポリン生地はどのような用途にマッチするのか、検討材料の一つとして役立ててください。
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ターポリンはどんな特徴の生地?
ターポリンとは、ポリエステル繊維の布を2枚の合成樹脂で挟み込んで作ったビニール素材の生地のことを言います。英語表記は「Tarpaulin」です。元々はタールを塗り防水機能をプラスした布のことでしたが、水兵の上着や船の防水シートとして活用され、やがて現在のようなターポリン生地になったと言われています。以下に一般的なターポリン生地の特徴をまとめました。
ターポリンは耐久性があり屋外や長期使用に向いている
ポリエステル繊維の布を合成樹脂で挟んで作られるターポリンは、非常に耐久性が高い生地です。また、防水性や防汚性などもあることから丈夫で色褪せしにくく、使用環境にもよりますが概ね1~3年の使用に耐えられます。
ターポリンには防炎性があり燃え広がりにくい
ターポリンの芯となっているポリエステルは、化学繊維のため比較的燃えにくいという特徴があります。この防炎性があることで燃え広がるのを防ぎやすくなります。
ただし、あくまで燃えにくいだけであり、完全に燃えないというわけではありません。商業施設や地下、駅といった防炎性を求められる場所で使用する場合は、ターポリンに防炎加工を施すことをおすすめします。
生地が丈夫な分サイズによっては重くなりやすい
しっかりとした作りで丈夫なターポリンですが、大きいサイズの幕を作る場合は重さに注意が必要です。ターポリンは、トロマットなどの布生地と比べると重量があります。長期間同じ場所に設置するのであればさほどデメリットにはなりませんが、頻繁な持ち運びにはあまり適していない可能性があります。
また、生地がしっかりとしているので、風に煽られやすい点も押さえておく必要があります。風が強い場所に設置する際は、風をより通しやすいメッシュターポリンという生地を検討してみてください。
ターポリン生地にもさまざまな種類がある
ターポリンと一言で言っても、加工によってさまざまな種類のターポリン生地があります。用途にあわせてそれぞれの特徴が特化されたターポリンを選ぶことで、より使い勝手の良い横断幕や懸垂幕、タペストリーを作ることができます。ここでは、代表的な4種類のターポリンの特徴をご紹介します。

スタンダードなターポリンです。防水性と耐久性が高く、屋内屋外を問わずさまざまなシーンで活躍する生地です。光沢はありませんが、発色が良く印刷が綺麗に出ます。

スタンダードなターポリンにメッシュ加工を施した生地です。ターポリンが持つ防水性と耐久性に加えて、軽いという特徴を持っています。通気性が良く、風が強い場所や高い場所に設置しても幕やタペストリーが風に煽られません。

スタンダードなターポリンにグロス(光沢)加工を行った生地です。表面にツヤがあり、写真やイラストを色鮮やかに印刷することができます。

2枚のターポリンで遮光材を挟み込んだ透けないターポリン生地です。裏と表がスタンダードなターポリンになるので、両面に別々のデザインを印刷することができます。また、生地が反りにくいという特徴もあります。
ターポリン生地に施される加工
ターポリンは、用途に応じて以下のような加工を施すことができます。

ハトメ加工:幕やタペストリーの周囲に紐を通すための穴を開け、穴の周囲を金具で補強する加工です。穴を開けただけだと紐を通す際に生地に負荷がかかって破れやすくなってしまいますが、ハトメ加工を行うことで強度が上がりより長く使うことができます。

ロープ編み込み加工:生地の周囲にぐるりとロープを編み込む加工です。ロープがあることで強度が増し、風で煽られても破れにくくなります。幕やタペストリー設置の際にも、弛みなくピンと張りやすくなります。

棒袋縫い加工:幕に棒を通せるように袋状に縫います。紐をハトメに通して幕やタペストリーを張るのではなく、棒で吊り下げたいという場合に行う加工です。
ターポリンの使用用途
ターポリンはその丈夫さや印刷の綺麗さなどから、屋内・屋外を問わずあらゆる場面で使われています。大きいサイズでも作れるので、スポーツの応援や看板、広告など、業種も多岐にわたります。ここでは、ターポリンが使われている用途の具体例をご紹介します。
横断幕・懸垂幕
スポーツ観戦やイベント、展示会で使用される横断幕や、店舗・学校などに掲げられる懸垂幕には、ターポリンがよく使用されています。先ほどお伝えしたようにターポリンは大きいサイズだとあまり持ち運びに適しませんが、耐久性と防水性の高さは大きな魅力です。雨天の屋外に設置しても、ターポリン製の横断幕・懸垂幕であれば問題ありません。
サイズや加工も豊富で、横断幕や懸垂幕を設置する場所に応じて自由に作りやすいことが利点です。また、印刷の発色が良いのでデザインも自由に作りやすく、遠くからでも目を引くように仕上げることが可能です。
タペストリー
飲食店のメニューや、イベントやキャンペーンの販促用タペストリーは、ターポリンの長所が活きやすいアイテムです。道に面した店先で雨風に晒されても、ターポリン生地であれば長期間活躍してくれるでしょう。
飲食店の場合、食べ物や飲み物の写真を綺麗に印刷できるグロスターポリン製のタペストリーが特におすすめです。小さいサイズのタペストリーは、店舗や施設内に案内目的で飾られることもあります。
現場シート
建築現場で使用される幕や現場シートにも、ターポリン生地がよく使用されています。建築現場では幕の設置も高所になるため、強風が吹き付けやすいことから、風が抜けるメッシュターポリンが選ばれています。風通しが良く耐久性が高いので、屋外で雨風に晒されても長期間使うことができます。
ターポリンのお手入れや保管の方法
綺麗な状態で長期間使うために、ターポリン生地のお手入れ方法や保管についても確認しておきましょう。
ターポリンは、一度シワが付いてしまうと完全に伸ばすのが難しい生地です。紙管や筒などに生地を巻いて保管しておくことで、シワを薄くすることができます。物干し竿やポールに掛けておいても構いません。いずれの場合も、印刷面を内側にしておきましょう。ターポリンは表面がビニールの生地なので、高温になるアイロンは不向きです。
付着した汚れを落とす際は、タオルなどの柔らかい布を水で濡らし、優しく拭き取ってください。強い摩擦をかけるとインクが移ったり落ちたりする危険性があるため、洗濯機は避ける必要があります。
保管する際は、たたんで保管するか、丸めて保管するかのいずれかです。保管場所は、直射日光の当たらない風通しの良い場所が適しています。
たたんで保管する場合は、印刷面を内側にしてください。印刷面と印刷面が密着すると、インクが剥がれてしまうことがあるため、注意が必要です。
丸めて保管する場合は、筒状に巻くことでシワを薄くすることが可能です。こちらも同じく、印刷面を内側にして巻くようにしましょう。
ターポリン生地の価格
幕やタペストリーは用途によってさまざまなサイズや仕様があり、価格も異なります。当店では、1〜2人でも使いやすい縦60cm×横180cmの幕が人気です。
仮に当店で縦60cm×横180cmの横断幕をターポリン生地で作成する場合、5,243円(税込)でお作り頂けます。詳しくは以下の価格表をご確認ください。
縦/横 | ~120cmまで | ~180cmまで | ~240cmまで |
~60cmまで | 4,855円 | 5,243円 | 6,991円 |
~90cmまで | 5,243円 | 7,865円 | 9,979円 |
~120cmまで | 6,991円 | 9,979円 | 13,305円 |
~150cmまで | 8,739円 | 12,474円 | 15,804円 |
~180cmまで | 9,979円 | 14,223円 | 17,474円 |
~210cmまで | 11,642円 | 16,594円 | 18,925円 |
~240cmまで | 13,305円 | 17,474円 | 21,628円 |
~270cmまで | 14,223円 | 19,658円 | 24,332円 |
~300cmまで | 15,804円 | 20,277円 | 27,036円 |
まとめ
ターポリン生地について、特徴や用途、お手入れ方法や保管方法をご紹介しました。
耐久性と防水性が高く印刷の発色も良いターポリンは、さまざまなシーンで活躍できる便利な生地です。重くて持ち運びにくいという欠点はありますが、シチュエーションによってはメッシュターポリンを使うことで解決できることもあります。
横断幕や懸垂幕、タペストリーを作る際は、使用用途や予算に合わせて、ターポリン生地を選択肢に入れてみてください。

