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印刷方法の種類や特徴を解説!凹版や凸版、オフセットとは?

印刷方法の種類や特徴を解説!凹版や凸版、オフセットとは?

印刷技術は、本や雑誌、パンフレットの他、フィルム袋やパッケージ、ポスター、名刺など、あらゆるところで用いられています。

しかし、一言で印刷といっても、その方法には多くの種類が存在します。それぞれ目的や用途、枚数など印刷物の条件によって適切な印刷方法は異なるのです。

この記事では、印刷の版式から代表的な印刷方式の特徴まで、印刷の基本知識をまとめて解説します。印刷方法ごとの主な用途も紹介するため、印刷について詳しく知りたい方や、印刷物の発注でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

印刷方法の種類は分類の仕方によって異なる

まず、印刷方法には大きく分けて「無版式」と「有版式」の2種類が存在します。

無版式とは、版を作らずにパソコン上のデータなどをもとにして直接印刷する方法で、レーザーやインクジェットなどが代表的です。一方で有版式とは、色数に応じて版を作り、スタンプのように転写して印刷する方法で、技法や版の形状の違いから以下の4つに分類されます。

  • 凸版印刷
  • 凹版印刷
  • 平版印刷
  • 孔版印刷

凸版印刷と凹版印刷、平版印刷の3つは、「3大版式」とも呼ばれています。さらに、こうした印刷方式の使い分けとして、活版印刷やグラビア印刷、オンデマンド印刷といった印刷方法の細かな分類があります。

また、時代や技術の変化によって、それらの用語が指す意味が広義になったり、本来とは別の意味で使われていたりするケースもあるため、現在では印刷方式や印刷方法の呼称も混同されがちです。

それでは、各印刷方法について解説していきます。

凸版(とっぱん)印刷

凸版印刷のイメージ

凸版印刷とは、表面に凹凸(おうとつ)がある版の凸部分にインキをつけて印刷する方法で、最も古く歴史の長い印刷方法といわれています。

印刷した画像の縁に隈取りのような濃い輪郭(マージナルゾーン)が生まれることから、力強い印象に仕上がるのが大きな特徴です。一方で、直接圧力をかけて印刷するため「紙にシワやヘコミが出る」「小さな文字が潰れる」などの欠点があります。

主な用途としては、名刺や新聞雑誌、段ボールやフィルム袋(レジ袋)などがあり、代表的な例としては活版印刷やフレキソ印刷が挙げられます。

活版印刷

活版印刷は、活字組版を用いた印刷方法です。活字組版とは、漢字やアルファベット、数字や記号などを1つずつ彫った活字と呼ばれる部品を、それぞれ組み合わせて作った版をいいます。

1970年代以降に写真植字やDTPが現れるまでは印刷の中心として活躍していた活版印刷ですが、デジタル化が進展してきたこともあり、現在ではその姿を急速に消しつつあります。

なお、場合によっては、鉛版・電鋳版・樹脂凸版・写真凸版など印刷した面に凹凸が感じられる版による印刷を総じて「活字印刷」と呼ぶこともあるため注意しましょう。

フレキソ印刷

フレキソ印刷とは、樹脂やゴムでできた版の凸部分にインキをつけて印刷する方法です。

ムラのないベタ印刷に優れており、印圧も軽いことから、凹凸のあるダンボールや紙袋への印刷はもちろん、布やフィルム素材など幅広い素材への印刷に対応しています。

また、フレキソ印刷は油性や水性、UVのほかに、環境負荷の少ない水性インキが使えるのも特徴の1つです。そのため、環境問題に関心の高い欧米を中心とした海外先進国で広く活用されています。

凹版(おうはん)印刷

凹版印刷のイメージ

凹版印刷は、文字通り凸版印刷とは逆で、版表面の凹部分にインキを染み込ませて印刷する方法です。

凹部分の溝の深さで微細な濃淡を表現できるため、カラー写真の印刷に適しており、凸版印刷や後述するオフセット印刷では難しい素材も印刷できるという特徴があります。一方で、「製版コストが高い」「小ロットには向いていない」などの欠点もあります。

主な用途としてはフィルムや包装紙、紙幣やパスポートなどがあり、これを活用した代表的な印刷方法の例としてはグラビア印刷が挙げられます。

グラビア印刷

グラビア印刷は凹版印刷の一種で、プラスチックフィルムやビニール、金属箔など幅広い分野で活用されている印刷方法です。

細部まで濃淡を表現できるため、かつては写真集や雑誌のカラーページの印刷に多く活用され、それらが後にグラビアページと呼ばれるようになりました。主に女性モデルの写真などを「グラビア」と呼称する語源でもあるとされています。

また、版の耐久度が高く、大量印刷に対応できるという特徴もあります。

しかし、近年では印刷に用いる有機溶剤が含まれたインキによる環境問題が注目され、欧米では先に紹介したフレキソ印刷が代用されるようになり、日本でも「オフセット印刷」が現在の主流となっています。

平版(へいはん)印刷

平版印刷のイメージ

平版印刷とは、凹凸がない平らな版を使って行う印刷方法です。

インキが必要ない部分に湿し水をつけ、水と油が反発し合う点を利用しながら印刷します。
平版印刷は書籍やパンフレット、ポスターなど多くの印刷物に利用されており、これを活用した印刷方法としてオフセット印刷が挙げられます。

オフセット印刷

オフセット印刷は、版についたインキを1度ゴム製のブランケットに移して(OFF)から、紙などに転写(SET)するという一連の工程から名付けられた印刷方法です。

大きな特徴としては、紙などの印刷物に直接あてないために版材が壊れにくい点や文字やイラストなどを忠実に再現できる点が挙げられます。

印刷会社などでは、このオフセット印刷と後述する「オンデマンド印刷」の2種類でサービスを分けているケースも多くあります。その場合、大抵はそれぞれ以下のような意味で分類されます。

  • オフセット印刷:低コストで大量印刷したい場合のサービス
  • オンデマンド印刷:コストを抑えて少部数を印刷したい場合のサービス

なお、他の印刷方法でも形式は「オフセット」と同じものはありますが、一般的に「オフセット」という場合は平板印刷の一方式のことを指すため注意しましょう。

孔版印刷(シルク印刷、スクリーン印刷、シルクスクリーン印刷)

孔版印刷のイメージ

孔版印刷とは、シルク印刷やスクリーン印刷、シルクスクリーン印刷とも呼ばれる印刷方式です。
スクリーンと呼ばれる版に穴をあけ、その穴からインキを押し出して印刷します。

主な用途としては、Tシャツやステッカー、エコバッグなどオリジナルグッズの作成です。紙や布だけでなく、看板や計器版、プリント回路など特殊な物への印刷にも活用されています。

また、版板の製作には費用がかかるものの、1度版板を作れば何枚でも印刷できるため、大量印刷するほどコストが下がる点も孔版印刷の強みといえるでしょう。

無版印刷(ダイレクト印刷)

ここまで紹介したものは全て版を必要とする有版印刷の種類です。一方の「無版印刷」は、冒頭で述べた通り版を使わないで印刷する方式を指します。

例えば、パソコンやスマートフォンから家庭用プリンターやコンビニなどのコピー機にデータを送って印刷する際、版は作成されずボタンなどを押すだけでそのまま印刷されます。版を作成する費用が不要なため、初期費用を抑え少部数でもコストを抑えて印刷できることがメリットです。

なお、無版印刷では、電子写真方式とインクジェット方式の2つが主流です。

電子写真方式では、一般的なプリンターよりも微細な粉体トナーや液体トナーを使用することで、オフセット印刷に近い品質や出力の速さが特徴です。電子写真方式はオフィスで使われるレーザープリンターや複写機で使用されています。

一方のインクジェット方式は、出力速度は劣るものの、液体インクを使用することでより高彩度かつ高品質の発色や再現性がある点が特徴です。

インクジェット印刷(UVインクジェット印刷)

インクジェット印刷は、名前の通り先ほど紹介したインクジェット方式を活用している印刷方法のことです。液状インクを吹きつけ、UV光(紫外線)の照射によってインクが硬まり、印刷素材に定着させます。色の鮮やかさから、写真やイラスト、グラデーションなどフルカラーの印刷に向いています。

また、色や材質、形状、カラーなどさまざまなものにフルカラー印刷ができるため、幅広く利用されています。ただし、インク容量が他の印刷方法よりも少ないため、カートリッジの交換やメンテナンスなど細かく管理や調整が必要になり、大部数印刷への適性は比較的劣ります。

「オンデマンド」(on-demand)とは、「必要・要求に応じて」という意味の英語です。よって「オンデマンド印刷」とは「必要な時に必要な量だけ印刷をする印刷方法」のすべてを指します。

つまり、1つの印刷方法の名称ではなく主に無版印刷であることを指し、インクジェット方式やトナー方式などのように、デジタル印刷機にデータを送って直接印刷する方法がこれに含まれます。

先にも紹介した通り、「オフセット印刷」とは版の有無や少部数・大量部数向きなどの違いで、対になって表記、受注されていることが多いです。

今回は、印刷方式やさまざまな印刷方法についてまとめてご紹介しました。それぞれ特徴やメリットデメリットなども異なるため、印刷物を制作する際にはどの方法が適しているのか、印刷会社がどの方法に対応しているのかを確認することが大切です。

今回の記事を参考に、印刷方法への理解を深めてみてはいかがでしょうか。